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50代からのV字回復を実現する24の鍵~第1の鍵「信頼する」

本稿より、「50代からのV字回復を実現する24の鍵」について書いていきたいと思います。

今日はその第1の鍵「信頼する」です。

ここで言う「信頼する」とは、「会社側」が「低迷気味の50代社員」に対して、「これから見事にV字回復を果たして、再び活躍してくれる」と信頼してあげるという意味です。

「信頼」というキーワードを「第1の鍵」としたのは、それほどこれが重要な要素であり、50代社員のV字回復を実現するためには、絶対に欠かせない要素だからです。もっと言えば、社員への信頼は、人材育成のすべての基礎となります。人に対する信頼がベースになければ、どんな人事制度も施策も、けっして十分には機能しません。

では、なぜそれほどまでに「信頼する」ことが重要なのでしょうか?

それは、会社側の信頼度が、そのまま社員のマインドセットに直接反映されるからです。

人事や教育に携わる人であれば、一度は“ピグマリオン効果”について耳にしたことがあると思います。ピグマリオン効果とは、「教師の期待によって、生徒の成績が向上する」という現象のことで、アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールの実験によって、広く世間に知られるようになった一つの学説です。

あるときローゼンタールは、ある小学校で、ハーバード式突発性学習能力予測テストと名づけた普通の知能テストを行ないました。学級担任には、「今後数ヶ月の間に成績が伸びてくる学習者を割り出すための検査である」と説明していました。

しかし、実際のところ検査には何の意味もなく、実験施行者は、検査の結果と関係なく無作為に選ばれた児童の名簿を学級担任に見せて、「この名簿に記載されている児童が、今後数ヶ月の間に成績が伸びる子ども達だ」と伝えたのです。

その後、学級担任は、子ども達の成績が向上するという期待を込めて、その子ども達を見ていましたが、実際にその子どもたちの成績は、他の児童たちよりも明らかに向上していったのです。 学級担任が子どもたちに期待の眼差しを向け、子どもたちも教師から期待をされていることを意識したために、成績が向上したのです。

つまり、人は人から期待され、信頼されるとき、最大限の力を発揮することができるのです。その逆で、期待もされず、信頼もされなければ、なかなか持てる力を十分に発揮することは容易ではないのです。

たとえいま、50代の彼らが業績不振に喘いでいたとしても、また、「もうオレはこれ以上努力しても、何も期待はできない。定年まで我慢して留まるだけだ…」という意欲のなくなった状態であったとしても、そんな彼らを無条件に信頼してあげる姿勢が、彼らに計り知れない力を与えることになるのです。

ある時から私自身もこの“ピグマリオン効果”を強く確信するようになり、それ以来、私は、企業において「V字回復プログラム」を実施する時は、必ず、プログラムを主宰する経営陣や人事の方たちに「彼らは絶対に復活するということを心から信頼してあげてください。そして、それを言葉と態度で現わしてあげてください」とお願いをし、そのことを約束してもらっています。会社の上層部の思いは、ダイレクトに受講する人たちに響きます。「会社は心底自分たちを信頼し、期待してくれているんだな」と感じるか、「この研修は体の良いリストラの布石なのかもしれないな…」と感じるかでは、彼らの気持ちは180度違ってきます。

まずは、「心から信頼してあげる」。ここからすべてが始まります。