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幸せと生産性の関係

これまでビジネスの現場では、あまり“幸せ”という言葉は使われてこなかったように思います。たとえ経営理念などで、「人々の幸福に寄与する」といった言葉が掲げられていたとしても、経営会議や部門ごとの会議のような日常の現場では、滅多に“幸せ”といった言葉は出てこなかったのではないかと思います。

つまり、“幸せ”とビジネスとは無縁のもののように扱われてきたように思うのです。それどころか、会議の場などで“幸せ”という言葉を使うと、「何を寝ぼけたこと言っているんだ!いまはシビアなビジネスの話をしているんだ!」と一喝されてしまいそうな空気すらあり、ビジネスの現場ではむしろタブー視すらされていた言葉ではなかったでしょうか。それは、“幸せ”という概念が、とても曖昧な概念であり、且つ、極めて個人的なものであることが一因ではないかと、私は考えています。

 

しかし、いまアメリカを中心に「幸福学」や「ポジティブ心理学」の研究が進められていく中で、幸せと生産性の関係が徐々に解き明かされるようになってきました。その結果、社員の幸福度が高いほど、生産性が高くなるということが、明らかになってきたのです。

 

これまでにアメリカの大学などをはじめ、様々な研究機関を中心に、幸せと生産性の関係を解明する研究が行われてきましたが、その一部をご紹介すると、次のようになります。

 

・社員の幸せ度は、仕事の満足度よりも、仕事の成果に関係する傾向がある。

・幸せでリラックスしている人は、クリエイティビティのテストのスコアが高い傾向がある。

・幸せな人々は、上司から高い評価を受ける傾向がある。

・幸せなリーダーがいるサービス部門は、上司から高い評価を受ける傾向がある

・上司による仕事のパフォーマンス評価は、仕事への満足度とは相関しないが、幸せとは相関する

・販売部門の人々の感情のポジティブなトーンが高いほど顧客満足度は高い傾向がある

・ポジティブなムードで仕事をしている人は、離職率が低く、会社への報復的行動をしにくく、組織市民としての行動を行い、仕事で燃え尽きにくい傾向がある

(以上「次世代日本型組織が世界を変える 幸福学×経営学」前野隆司、小森谷浩志、天外伺朗共著(内外出版社)より一部抜粋)

さらには、「幸福度が高い社員のほうが、そうでない社員に比べて、生産性は30%、営業成績は37%高く、創造性においては、3倍高くなる」という研究結果も報告されています。

 

そもそも会社とは、そこに関わる社員や顧客が幸せになるために作られたものであったはずです。それがいつの間にか、社員の幸せなどは二の次でひたすら業績だけを追いかけるようになってしまいました。つまり、目的と手段が入れ替わってしまったわけです。

そろそろわれわれ日本の企業は、経営の原点に立ち返るべき時が来ているのではないでしょうか。そしてそれこそが、社員の幸福度の向上⇒社員の生産性とロイヤルティの向上⇒サービスの高付加価値化⇒顧客満足度の向上⇒業績の向上⇒さらなる社員の幸福度の向上という善循環を引き起こす本質的な改善策になるのではないでしょうか。