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社員を“しあわせ”にできていますか?(1)

われわれは、エバーグリーン経営を“強い経営”דしあわせ型経営”と定義づけていますが、今回は、“しあわせ”にフォーカスを当ててみたいと思います。

 

ところでわれわれは、通常使われる「幸せ」という漢字表記ではなく、敢えて「しあわせ」とひらがなで表記しています。それは「幸せ」という言葉がとても漠然としていて、且つ、人によっても意味合いがかなり違うにもかかわらず、何となくわかったような概念として、深く探求されないまま使われているためです。

 

通常私たちが何気なく使っている「幸せ」ではなく、「自分にとって本当の“しあわせ”って何だろう?」と真正面から向き合い、先入観なく、“白紙の状態”で改めて考えていただきたいという思いがあるからです。それが、敢えて“しあわせ”とひらがな表記にした理由です。

 

前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題です。

 

あなたはどんなとき“しあわせ”を感じますか?

 

「家族で団らんをしている時」

「子どもや孫と遊んでいる時」

「読書やゴルフ等、好きな趣味に興じている時」

「バカンスを過ごしている時」

 

こんなふうに、比較的プライベートなことを思い浮かべるかもしれませんね。もちろん、それも“しあわせ”な瞬間であることに間違いはないでしょう。

 

では、仕事をしている中では、どんな時“しあわせ”を感じますか?

 

こんなふうに質問をすると、「え?『仕事をする中で』ですか?…幸せを感じることなんてあるかな…?」としばし考え込んでしまいませんか?

 

ひょっとすると、あなたは違うかもしれませんが、多くのビジネスパーソンは、仕事をする中でなかなか“しあわせ”を感じられないようです。

 

起きている時間の半分以上、仕事をして過ごしているにもかかわらず、もしもあまり仕事に“しあわせ”を感じられないとしたら、それはとても勿体ないことだと私は思うのです。

 

私は仕事が楽しくて充実していなかったら、人生が楽しく充実したものになる気がしません。だって、毎日の仕事をいやいややって、定年退職して静かに余生を過ごして、人生が終わる時、「ああ、俺の人生は充実した幸せな人生だったな!」と心から思えますか?少なくとも私は、そんなふうに思える気が全くしません。

 

(ちなみに、成功している起業家や事業家、プロフェッショナルに同じ質問をすると、ほぼ「仕事以上に楽しいものはない」と答えるのではないでしょうか)

 

もし現在、仕事をすることに“しあわせ”を実感できていないとしたら、“しあわせ”を実感できるように工夫をする必要があるのではないかなと思います。自分の人生を充実させるためにも。

 

ましてや、あなたが経営者、もしくは部門長、あるいは、人事や総務の責任者、あるいは担当者だとしたら、社員たちが“しあわせ”を感じられるように工夫をすることは、極めて重要な責務だと私は思うのです。なぜなら、社員たちが仕事をすることに“しあわせ”を実感できるようになったら、それはそのまま従業員満足度の向上と、生産性の向上、ひいては、顧客満足度の向上に直結するからです。

 

そして、もし仮に、生産性の向上や顧客満足度の向上にすぐに結びつかなかったとしても、一人の人間を預かる立場の人間にとって、その人の“しあわせ”に貢献するのは、最低限の責務だと思うのです。

 

そんなふうに言うと、あなたは、「そんなの理想論に過ぎないのでは?そもそも仕事なんてそんなに楽しいものじゃないし、みんな自分のノルマを達成するのに精いっぱいで、人を“しあわせ”にするなんて余裕はないよ」と思うかもしれませんね。

 

あなたがそう思う気持ちもよくわかります。どんどん市場環境は厳しくなり、現状維持をすることすら大変な時代になってきていますから。そんな環境の中、他人の“しあわせ”のことなんて、考えている余裕はないと。

 

でも、結論から言うと、それは逆なのです。

 

そもそもビジネスは、人の抱えている問題を解決したり、便益を図ることでより豊かになってもらったりすることで成り立つものです。つまり、お客様を“しあわせ”にするのがビジネスの本質なのです。

 

人を“しあわせ”にする質と量が利益の大きさを決めると言ってもいいのではないでしょうか。

 

私が言っていることは単なる理想論でもキレイごとでもありません。

 

全米ナンバーワンのマーケティング・コンサルタントと言われているジェイ・エイブラハムは、世界的ベストセラーとなった著書「ハイパワー・マーケティング」の中で、次のように語っています。

 

「多くの人が犯しているミスは、間違ったものに愛着を持っていることである。具体的に言えば、自社の製品、サービス、自分の会社に惚れ込んでいるのだ。本当に愛着を持つべき相手は、あなたのクライアントなのだ。ここでいうクライアントには、あなたの商品やサービスに対してお金を払う人だけではなく、あなたの会社の従業員、上司、チームメンバー、業者等も含まれる。クライアントに惚れ込むとは、すなわち、クライアントの幸福に責任を持つことである。クライアントの利益をあなたの利益よりも優先させるのだ」(「ハイパワー・マーケティング」より抜粋)

 

マーケティング戦略の第一人者が、“マーケティングの神髄”は、従業員も含んだクライアントの幸福に責任を持つことだと言っているのです。

 

さらには、あのJALを再生させた稲盛和夫氏は、再建中の会社が、「JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し…」という企業理念を冒頭に掲げたことについて、後に次のように述懐しています。

 

「今の経営常識からいうと、株主価値を高めるのが経営の目的だと言われていますが、そうではありません、社員が本当に幸せになってくれること以外には目的はありません。みんなが本当にがんばって幸せになってくれれば、当然業績も上がるし、その結果は株主価値にも反映していくわけですから」(ダイアモンドオンラインより抜粋)

 

JALは特別な例だとしても、社員の“しあわせ”を本気で追及している企業は、実は、国内にもたくさんあります。

 

法政大学の坂本光司先生の著書で、大ベストセラーになった「日本でいちばん大切にしたい会社」シリーズで紹介されている企業群は、みんなそういった企業ばかりです。そういう企業は、例外なく顧客満足度も高く、素晴らしい業績を誇っています。ジェイ・エイブラハムの主張を立証しています。

 

まだお読みになっていない方は、是非、ご一読ください。「本当にそんな会社が存在するんだ!」と驚かれると同時に、ヒントと可能性を感じられることでしょう。

 

では、そういった企業で働く従業員たちは、具体的には、どんな“しあわせ”を感じているのでしょうか?そして、経営陣や管理部門は、具体的に、どのようにして従業員たちに“しあわせ”を感じてもらえるような工夫をしているのでしょうか?

 

(続く)