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社員にもっと主体性を持ってもらうには?

あなたが企業の経営者、あるいは経営幹部として、社員たちに望んでいることはどんなことでしょうか?

 

ただ指示を待っているだけでなく、物事の先を読み、自らやるべきことを考え、実際に行動に移すこと。そして、時には、業務の改善策や新たな提案、新たな事業を考え、上層部に具申する。そしてできれば、リスクを負ってでもチャレンジをする。そういった姿勢をあなたは望んでいるのではないでしょうか?

 

つまり、一言で言うと、一人ひとりが“主体性”を持って動いてもらいたいと望んでいるのではないでしょうか?

 

しかし、現実はどうでしょうか?残念ながら、言われたことは真面目にこなすけれども、言われたことしかやらない受け身の社員が多いことに、物足りなさ、もっと言えば、危機感さえ感じておられるのではないでしょうか?

 

劇的な市場環境の変化と、加速化するグローバリゼーションの波を受け、ますます競争が激化していく中で、自ら次々と新たなアイデアを考え、より高い価値を生み出そうという姿勢が社員たちに不足していれば、たとえいまは安定基盤を誇っていたとしても、10年先、20年先はけっして安泰とは言えない、いや、それどころか、生き残っていくことすらできないかもしれないという危機感を、まともな経営者であれば、抱いているに違いありません。

 

社員の多くが主体性を持っていなかったとすれば、それはもちろん言うまでもなく、企業の行く末を考えた時、とても危惧すべき状況です。なぜなら、消費者ニーズが多様化・複雑化し、内需は縮小の一途を辿ると言われている現在の日本市場において、現場で働く社員一人ひとりが自ら顧客のニーズと真剣に向き合い、ニーズに合ったソリューションを考え実行することができなければ、簡単に顧客は離れていってしまうからです。上司の指示やマニュアルにただ従って業務を進めるだけでは、もう現場では立ち行かない時代にとっくに突入しているからです。

 

コーヒーチェーン業界で、スターバックスが圧倒的な競争優位性を保っている勝因の一つは、まさにこの社員の主体性を引き出す仕組みができていることにあります。マニュアルを越えたサービスを、アルバイトスタッフの一人ひとりができるからこそ、同社は他社の追随を許さない地位を確保しているのです。

 

 

では、もしあなたの会社の社員が主体性に欠けていると感じるならば、そうなってしまった原因は一体どこにあるのでしょうか?真の原因がわからない限り、問題を根本解決することはできませんから、ここを深く掘り下げて考える必要がありますね。

 

考えられる原因としては、概ね次のような要因が挙げられるのではないでしょうか。

1.多くの社員たちがそもそも大人しく受け身的な性格である

2.そもそも社員たちの多く(特に若手)が現在の生活に満足しているため、貪欲さがない

3.提案をしても、上層部にことごとく否定されてきたため、「何を言っても無駄だ」という諦めの境地になっている

4.創業以来上意下達(トップダウン)の組織で、下の意見を聴き入れようとする風土がない

5.リーダー層に部下育成の意識もスキルもない

6.人事評価が減点主義的な要素が強いため、自らリスクを背負って新たなことにチャレンジしようとはしなくなる(無難なことしかしない)

 

さあいかがでしょうか?あなたの会社も、以上のいずれか、あるいは、これらの幾つかの組み合わせが原因となっている可能性が高いのではないでしょうか?

 

社員たちに主体性を持ってもらうには、そうなってしまった真の原因が何かをしっかりと見極めていく必要があります。

 

もし、主な原因が1もしくは2だと考えられたとすると、採用の問題になるかもしれません。基礎能力の高さと協調性に重きを置いた採用をしてきたとすると、必然的に主体性・積極性に富んだメンバーは多くはならない可能性が高いので、そもそも採用戦略が間違っていたということになります。

 

3もしくは4だとすると、これまではトップダウンのマネジメントが機能してきた企業なので、これからの時代は、従来とは違って、トップダウンだけではマネジメントが機能しなくなるという事実を、経営陣が心底理解をする必要が出てきます。これは簡単なことではありませんが…。

 

もしも原因が5だとすると、リーダー層のマネジメント教育が必要になります。プレーヤーとマネジャーでは、仕事の仕方も考え方も全く異質なものになるので、しっかりとしたマネジメント教育をする必要があります。

 

最後に原因が6だとすると、人事評価制度自体を見直す必要があります。主体性を持ってチャレンジする人材を育てたいのであれば、失敗を恐れずに行動する人間を評価する制度に変えていかなければいけません。目指す人材像と人事制度は一貫していないと、人はついてきません。

 

いま、問題をとても単純化して整理しましたが、実際は、複数の要素が複雑に絡み合っているため、こんなシンプルな話ではありません。より深く探求をしていくと、その原因の原因、真の原因は別なところにあるという場合も少なくありません。そのように考えると、一体どこから手を付けたらいいのか困ってしまいますね。

 

この問題の答えは、割り算のように最初からキレイにはじき出せるわけではありませんし、一つの仮説を立てて、対策を順番に実行したとしても、一朝一夕で変化をもたらせる保証はどこにもありません。

 

しかし、それでも着実に変えていく方法はあります。問題の真の原因は何かについて、できるだけ多くの中心メンバーを巻き込み徹底的に議論をし、原因についてまず一つの仮説を立てることです。

 

そして、最大のポイントは、みんなで議論をする際に、けっして誰か他の人のせいにしないことです。「結局オーナーがああいう性格だから仕方ないよね」「上層部がみんな頑固だから変わらないよね」「いまの若い人たちのやる気のなさには困ったものだ」・・・等々。議論をしていくと、必ず誰かが悪いという他責の発言をする人が現れてきます。そして、ともするとその意見にみんなが同調して議論はそこで終了、なんていうこともしばしばありますが、これが最悪の議論の収束です。

 

そうではなく、「自分たちに足りないところがあるとしたらそれは何か?」という点にフォーカスをして議論をしていくことがとても大切になります。

 

つまりフォーカスポイントを全員が「他者」から「自分」に変えることで、「自分にできること」が一つ二つと出てきます。

 

「僕自身が管理職として本当に主体性を持っていたとは言えないかもしれないな。僕自身も、部長に言うべきことをちゃんと言っているかと言えば、怖くて何も言ってないからね。そんな姿勢を背中で見ているうちのメンバーたちに『主体的に動け』と言っても、彼らだって本気で動こうとはしないよね」といった意見が出始めてくると、組織は小さいながらも確実に変化をし始めます。

 

中心メンバーの一人ひとりが、自分事として問題を捉え始め、自分と正面から向き合い、反省すべきこと、行動すべきことを考え、小さなことからでも行動を起こし始める。こんな小さなところからスタートをするのです。

 

そして、そんな行動をたたえ合う仕組みや慣習を作ります。

 

小さな、小さな一歩。しかし、ここから組織変革は始まるのです。